goods and life +

とりあえずヘリコイド付きのマウントアダプターで解決だ!

ヘリコイド付きマウントアダプターキタ(゚∀゚)

LEITZ(ライカ) Mマウントのレンズを FUJIFILM Xマウントボディで使用するためのマウントアダプター、KIPON の L/M-FX ってものを買った後で「ヘリコイド付きマウントアダプター L/M-FX/M」ってのがあることに気がついて、ランチ数回分ほどの無駄な出費をしてしまってショックを受け、生活クオリティを下げざるを得ない今日この頃。

とりあえずヘリコイド付きのマウントアダプターが到着したので X-E1 で使ってみました。
これがあれば単焦点の高性能オールドレンズを Xマウントのミラーレスで楽しめます。
モノはアマゾンのレビューで書かれているほどの精度の悪さは特になく、動作も良好。
(ちょっと昔はひどかったのかもしれないし、個体差があるかもしれない)

こういうのがあんまりスルスル動いても困るんですけど、欲をいえば回す時に固めなので、ローレットはもっと滑りにくくてまわしやすいデザインにしとけよっていうか、センスがイマイチな感じ、というかはっきりいって精密さが足らない。

 


▼ 根元のギザギザをまわすわけ、写真はヘリコイドをいちばん伸ばした状態です。
ヘリコイド付きマウントアダプター L/M-FX/M + summilux-f1.4-50

まあきっちり実用できればそれでいいんだけど、ギリギリのレベル。
あと、ちょっとはマウントするライカのレンズのデザインに合わせるだとか、カメラの雰囲気にもっと合うデザインのテイストってものを考えて作って欲しいってところ。

現実的にはこういったニッチな商品を作ってくれるところがあるだけそれはとてもありがたいことなんですけど、ルックス面・精度・剛性ともに洗練された Made in Japan のちゃんとしたのを日本のメーカーが作ると嬉しいなあ、と。

だって数日使ったら固かったのが今度はスッカスカのガタガタよ?、KIPON アカンわ。
せめてこのくらいのルックスとクオリティで…

X-Pro1 はコシナ製視度補正レンズじゃん?、ヘリコイドの Xボディ用 Mマウント(VMマウントでもOK)も作って欲しいなー。

でも聞いてくれないよね、これだもの
こんなだからマウントアダプターって全般的に「中国から来ました」レベルのマテリアルに占拠されちゃってるんだと思うわ。
弊社では、お客様からの製品開発・販売などの御提案は現在受け付けておりません、御提案されましてもそれに対する返答はいたしませんのであらかじめご了承ください。

 


ヘリコイド付きのマウントアダプターを付けたらどうなるのか?

ヘリコイド付きのマウントアダプターを使えば、レンズ本来の最短撮影距離をぐっと短くできるというメリットがあって、これが、もともとのレンジファインダー用ライカ Mマウントレンズの最短撮影距離そのものをぐっと縮めてくれるわけです。
もちろん無限遠も使えます。
L/M-FX/M はここで使ってみた X-E1 以外にも、レンズ交換式の FUJIFILM Xマウントシリーズならどれでも使えます。

これは X-Pro1 に付けてみたところ。

そもそも、ライカMマウントレンズっていうのは、光学視差式距離計(レンジファインダー)がレンズとは別に組み込まれている距離計連動カメラ用のレンズなので、そのままだと極端に近くまでは寄れません。

たとえば今の ASPH.(非球面)の SUMMILUX 1:1.4/50 なら 約70cmまで寄れますが、大昔のライツの SUMMILUX 1:1.4/50 だと 1m ほどしか寄れない。

そんなオールドレンズも今風のレンズ感覚で寄れるものになるので、しかもいろんなレンズをマクロ撮影可能なものにできるわけで、その中からレンズ一本だけ持ち歩く場合でも使い勝手が良くなるというか、できることのバリエーションが増えるというか。

今回使った SUMMILUX 1:1.4/50 だと、FUJIFILM Xマウントの APS-C カメラに載せたので 50mm がほぼ 75mm と化してしまっているわけで、50mm のレンズと比べてかなり汎用性が減ってしまった(…専用性が高まった、ともいう)分、そのかわりこれ一本でマクロにも使えるんだぞ、っていういいわけが自分の中にできて精神衛生上もいい感じ。

最短撮影距離の変化はこんな感じ。

KIPON の L/M-FX/M の場合が以下のもの。
Leica 24mm F2.8 From 70cm → 14.5cm
Leica 28mm F2 From 70cm → 19cm
Leica 35mm F2 From 70cm → 22cm
Leica 50mm F1.0 From 100cm → 39.5cm
Leica 50mm F1.4 From 100cm → 36cm
Leica 75mm F1.4 From 100cm → 50cm
Leica 90mm F2.8 From 100cm → 68cm

ところが KIPON の L/M-FX/M がもうずっと品切れ状態、もう作ってないのかも。

Hawk's Factory製 ライカMアダプタ Ver3 だと、台湾の工場に日本製工作機を導入して製作されているものなので、素材・精度が高品質で、レンズ毎の無限遠の誤差をアダプター側で調整する事が可能になっているもよう。
動きが雑な KIPON よりもこっちの方がいいに決まってる、だから今回やっちまった感が。
このあたりの情報ってニッチでマイナーなんだよなー、と。

Hawk's Factory製 ライカMアダプタ Ver3 の場合が以下のもの。
35mm で最短フォーカスが 1m のレンズ → 28cm
50mm で最短フォーカスが 75cm のレンズ → 43cm
50mm で最短フォーカスが 1m のレンズ → 38cm
75mm で最短フォーカスが 1.2m のレンズ → 73cm
90mm で最短フォーカスが 1m のレンズ → 73cm

ところが Hawk's Factory 製もずっと品切れ状態、もう作ってないのかも。

で、KIPON のヘリコイド付きマウントアダプターにフォクトレンダーの VMマウントレンズを使う場合、もうめちゃくくちゃ固いです、これはヤバイ感じ、そんな精度。
マウント部分のテーパーのつき方がオールドMレンズとほんのちょっと違うからなのかもしれないけど、ドライバで調整しないとかたすぎてはめたら取れなくなりそうでこわい、そんな仕上げの精度。
そんなフォクトレンダーの VMマウントレンズでも、ライカM型(フィルムでもデジタルでも)に使うとちゃんと普通にはまるんですよね、つまりマウントアダプター側の出荷時の組み立て精度が悪いとしか思えないというか、そうとしか言いようがない。

Hawks製と Kipon製の最大の違いは、径の内部の処理。
Hawks製はヘリコイド(回転構造部分)がカバーされていて、グリースのついた回転構造部分が見えない(むき出しにはならない)ので、万が一の撮像素子のゴミ付着などの原因にならないので安心して使えます。

Kipon製はグリースのついた回転構造部分が径の内側に露出するので、使う側がチリ付着や油漏れなどの状態をちゃんとチェックしておかないとちょい心配。

あと、内径の大きさそのものの違い、Hawks製は内径Φ35mm、Kipon製はΦ33mmしかないので、使えるオールドレンズの数は必然的に Hawk's Factory製の方が多くなるはず。
さらに新しいのが 2月中頃に出てるみたい。(と書いたけどずっと出ない)
並行輸入品だと最新のバージョン5も販売されてます。 これももうなくなってました。
もう作ってないのかも。

Hawk's Factory製は無限アジャスト機構で無限遠をレンズ毎にジャストに調整出来る構造で繰り出し量は5mm。
Ver3 と Ver5 の違うところは内部構造が一新されて強い光が入った際の乱反射がマシになって、レンズ着脱ノブも大型化されているところです。

これがいちばんよさげ
というか、最近これに買い換えました!デザインも動作もいい感じです。
ライカMレンズ用(ヘリコイド付き)繰り出し幅は6mmです。




毛虫



 


フジフイルム純正 Mマウントアダプタもある
FUJIFILM純正の Mマウントアダプタ(※ヘリコイドはついていないマウントアダプタです)
FUJIFILM XマウントのカメラでライカMマウントレンズが楽しめるヘリコイドなしのただのアダプターです。

ファンクションボタンやアダプターの信号接点を設置してある(歪曲収差補正、周辺光量補正、色シェーディング補正などが使えるようになっている)分、内径が狭い。
フジフイルム純正 Mマウントアダプタの場合、Mマウントレンズが装着可能かを確認することができる樹脂製のチェックゲージが同梱してあるだけ良心的。

でも補正エレメントは Ps や Lightroom やカメラRAW でデータの編集や現像を行う人には必要の無い機能かもしれないし、持っているレンズ資産が FUJIFILM の Xマウントカメラで使えんのかどうかってことの方がプライオリティの高い潜在ニーズかもしれない。

どのレンズが装着可能かどうかのリストがあるので、購入前に確認できます。
Mマウントレンズ 対応情報


どうせマウンターを買うならヘリコイド付きの方が楽しいし、そうなると Hawk's Factory製がベストチョイスかもしれないんだけどもう売ってない。
FUJIFILM純正のMマウントアダプタの工作精度レベルで、ヘリコイド付きのMマウントアダプタとかあれば嬉しいんだけど。

ただのエクステンションチューブもある
Xマウントレンズを使った接写ならエクステンションチューブ。
富士の純正は 11mm(MCXE-11) と 16mm(MCXE-16) の2種類。
連結させて使うこともできるし、接点付きなのでフジノンを使えば AFも使え、exifも記録されます。

 


Mレンズ用の普通のマウントアダプタ
FUJIFILM純正のMマウントアダプタのような信号接点や補正機能がないため、内径が大きく、使えるレンズの種類は多くなります。

Leitz SUMMILUX 1:1.4 / 35mm のような球面オールドレンズって、後ろ玉が前玉よりも大きいんじゃないの?って感じに見えるくらいで、ヘリコイド付きのマウントアダプターの内径では使用することができません。
SUMMILUX 35mm は素通しのマウントアダプターじゃないと無理なんです。

だいたい35mm玉より焦点距離の短いレンズはヘリコイド付きのマウントアダプターには装着すらできない可能性があるんだけど、ほぼアナウンスされていないのでわかんない。

inali はオールド SUMMILUX の 35mm をフジフイルムの X-Pro1 や X-Pro2 で使う場合はヘリコイドなしのマウントアダプターを使っていますが、それだと後ろ玉がでかくても問題なくマウントできて普通に使えます。

日本製の信頼感、宮本製作所(RAYQUAL)

APS-Cだと、SUMMILUX 35mm の開放の f1.4〜1.7 の絞りで、このレンズ独特のハイライト滲み、ホワイトの滲みやライカグロー(f2まで絞るととたんになくなってしまう)が換算50mmで楽しめるというわけです。
ソフトウエアで後加工で作る滲みやグローとは異なるハイライト滲み、現代のレンズでは作れない絵になります。

 


もやもやしたものを吐き出してみる
ていうか、 APS-C 機のカメラにマウントすると 1.5〜1.6倍(C社) になるわけだし、ただマウントするだけではなく、これを元の焦点距離に極力近くなるよう撮れるようにするフォーカルレデューサーアダプターを出すべき(そんなことできるのかどうかわかんないけど)。

FUJIFILM は APS-C焦点倍率のあたりをあえて積極的に謳ってないので、全く知識も興味もない人だと、もしかしたら 35mmのオールドレンズをフジフイルム Mマウントアダプターでマウントさせれば 35mm換算35mmで使えると勘違いしてたりする人もいるんじゃないのかな?

フルフレーム35mm レンズだと 50mm相当、フルフレーム50mm レンズだと 75mm相当、相当って言うのはレンズのイメージサークルのうち、実際のセンサーの大きさからはみ出しているところが切られる形でクロップされてしまうだけのことで、レンズ外周というか周辺部のあたりの描写がなくなってしまっているだけです。

本来ならよりボケたり落ち込んでいくところが切り取られてなくなってしまうわけなので、そのなくなってしまっている部分の絵的な効果による遠近感や立体感は本来の 50mm や 75mm の単玉の写りとは異なって見えます。
アダプタの高さからさらに繰り出し量による露出倍数のことを考えたら、f値も変化します。

50mm ÷ f1.4 = 有効口径 35.714285714285714
50mm + 6mm(例です) = 56mm
56mm ÷ 35.714285714285714 = 1.568

まあだいたい f1.6 くらいになる、って感じですね。
さらに、レンズ先端になんらかの光カット系フィルターを装着して、レンズに入る光量が減少すると、絞りが開放であっても、そこに露出倍数の 1/x 絞り分が加算ってことになります、だいたい1/3絞り分くらいまでだろうけど。
で、APS-C の場合はそこからレンズの外周部、周辺の描写が断ち落とされた絵になるわけです。

ちなみにライツのこのレンズの場合だと、feet の下の m の右横に 14 という横を向いた数字が入っています、同じオールドのズミルックスでも物によってこの数字の値やエングレーブされている場所すら違っていますが、この場合は、50mm + 14 = 51.4mm の焦点距離です。

なので、

51.4mm ÷ f1.4 = 有効口径 36.714285714285714
51.4mm + 6mm(例です) = 57.4mm
57.4mm ÷ 36.714285714285714 = 1.563424124513619

まあだいたい開放で f1.6 くらいになる、って感じですね。

さらにいえば、フルフレームの 75mm玉と 50mm玉の 1.5倍クロップの APS で同じ構図になるように撮るためには、撮影者の立ち位置そのものが変わってくるので、同じような f値で撮れば、フルフレームの場合はよりボケる、APSの場合はよりボケないの差も出てきますね。
つまり、被写体までの立ち位置も変わるし背景の距離だって変わるし、全く同じ絵は撮れません、むしろそれぞれ微妙に違う絵を作るために使い分けるんだという感じになります。

全く一緒になるのだ、など YouTube で吹聴してる人もいるけど、全く一緒なわけがありません、視野枠の範囲がほぼ一緒の似たような絵ってだけす。
仮にその絵をオーバーレイして 3Dデータのような線画の状態にできるとして、パースの要素だけがまあまあ似たようなものになっているだけ(厳密にはパースも寄り引きの関係で差が出てくる)です。

元々のレンズの持つ物理的な被写界深度の違いや同じ構図にするための立ち位置の違い、同じ被写体を撮っているはずだけど、被写体までの距離の違いなど、あと、焦点距離が短いほど被写界深度も深くなる、長いほど浅くなるわけで、フルフレーム用 35mmや 50mm の玉は物理的に変わることのない 35mm や 50mm のレンズの固有の被写界深度や画角や光学特性をもっています。

仮にそれを APS で使って 1.5倍クロップで換算 50mm や 75mm のような画角というか視野範囲というかになっても、フルフレームに物理的に 50mm や 75mm の玉を使って、同じロケーションで同じ構図に見えるように立ち位置を変えて撮った場合と比べると物理的なレンズの特性の違いと被写体までの距離が異なってくることによるボケかたや量の違いが出ますし、フルフレームで同じ構図に見えるところよりもわざともっともっと引いて撮っておいてから、同じ構図になるようにクロップしてそれを拡大してサイズを合わせてみても、全く一緒の絵が出せるんだ、というわけにはいかないですよね。

ぱっと見た時に、写ってる範囲がほぼ一緒のなんか似たような絵やなってなだけす。
厳密に意図する表現性とか、見え方の違いにより視覚的に受けるインプレッションの変わりかたやらに細心の注意を払うとかそんなもん特になくて、「この範囲がこんな感じで見えるように入っとったらええんや」みたいなざっくりした感覚だったら、まったく一緒です!、で別にいいんだけど。

フルフレームのボケの絵が欲しいならフルフレーム一択ですが、ソニーのフルフレームのボディにライカのオールドをつけても、中央も甘め周辺はなんかぼやんと流れて写るんですよね、本来シャープなレンズであってもそうなるし、Instagram なんかでそういう組み合わせで撮っている人の絵もだいたい全部そうなってて、その組み合わせで続けてた人がレンズ一体設計のライカQ2に変えた途端同じ場所でももうまったく違うシャープな絵になっています。

ソニーの場合、センサの前のガラスが2mmで普通のマイクロレンズ、ライカMだとセンサの前のガラスが0.8mm、嵩立てられオフセットされたマイクロレンズ、この差が写りの決定的な差になっているはずです、シャープネスをかけて絵的になんとか中心部を整えても、周辺の滲み流れみたいなのはどうにもならないし、おかしいなあと思ったらこういうことです。

ソニーの2mmガラスに合わせて設計されているソニーのレンズだとこういう問題は当然起こりません。
海外でセンサ前ガラス剥がして交換の魔改造でソニーのαのガラスを極薄のものに置き換えるところもありますが(Leica M9 のセンサ交換保証期限後にガラス交換の神魔改造などをやってくれていたところです)、そうすると確かにチャートで見た時のライカレンズの周辺の解像は本当に変わっています、でもそれをやっちゃうともう後戻りできないというか、逆にソニーのレンズを使うときに確実に問題が出てくる。

フォクトレンダー史上最高性能の APO-LANTHER がこう書いている理由もこれが原因だと思います。
きっとレンズの射出瞳から撮像面の厳密な距離、センサスタックなど総合的な問題。

※本レンズは当社のマウントアダプターを介してソニー Eマウント、富士フイルムXマウント、ニコンZマウントのデジタルカメラに装着することが可能ですが、Mマウントカメラ用センサーに最適化していることから、これらのカメラでは本来の光学性能は発揮できませんのでご注意ください。







だいたいオールドと呼ばれるようなセンサのない時代のレンズは(今のミラーレス用のようにどんどん枚数を増やして前に伸ばして補正するほどの)テレセン性なんて考えてないし、それをライカM以外で使えばIRカットガラスやローパス以外にも、フルフレームセンサがブレ防止のため動くときに破損を避けるための強度を持たせるよう設計されたセンサ前ガラスの厚みの影響が出て、そこをクロップして拡大して比べるとほとんどの周辺が滲んだ感じでおかしくなってるんじゃ?
しかも昔のフィルム用のレンズの許容錯乱円のサイズは今のものと比べたら紙を目視が基準で大きいはずなので余計。

オールドの各種レンズをブレ防止付きフルフレームのミラーレスカメラで、って考えてる人はセンサの前のガラスがまだ薄めだよっていう話のニコンZシリーズなんかの方が合ってるのかもしれないですね、APSならそもそも周辺はカットされてしまうのであんまりわからんですけど。
ライカSL2もMレンズを使うことを想定されているため1mm程に抑えている様子。

あとフォクトレンダー史上最高性能の APO-LANTHER のソニー向けバージョン、名前は一緒ですけどレンズの断面図やら鏡筒見たらわかるとおりレンズの構成そのものも違っていてぶっちゃけ別のレンズ、あっちの方が光学性能的には若干良いそうです。
というかあのサイズで端まで平坦性の高いミラーレス用だと考えるとあれはあれでいいですねえ、オールドっぽい写りとはもう関係ないなって感じになるだろうけど。

フォーカルレデューサーアダプター
レデューサーレンズはセンサーまでの結像距離を縮めることでフルサイズ用レンズ本来のイメージサークルをそのまま縮小サイズにすると同時に集光というか、そのぶん増光(そんな言葉があるかどうかは知らんけど)することにもなって、理屈上 F値を 1段分ほど明るくできるわけで、その分シャッタースピードも上げることができる。

ちょい昔、R用のものが流行ったけど、そもそもライカのオールドレンズで大きく重い R用をAPSカメラに付けるってのものどうなのかと思うわけです。
SUMMILUX-C CINEレンズみたいでかっこいいけど、APSサイズで使うには大きくて重いし。

ただし今あるレデューサーレンズの製品ってレンズの精度がチャイナメイド、こういうのを純正品でしっかり作ってフジノンレンズでやればすごくいいと思うんだけどどうなんでしょ?
…と思ったけど、そすっともうライカオールドレンズの素性そのものじゃなくなってしまうという意味からしてやっぱりダメか。

追記: …って、ほんと発表キタ━( ゚∀゚ )っ
フォーカルレデューサーアダプター、やればできるんやん。
画質はどうなるか知らんけど。
R用のはちょい残念っぽいみたいだったけど、あれからずいぶん月日も経ったことだし。
…と思ったけど、これもずっと発売されていない感じ。
Kipon-Baveyes-focal-reducers-for-Leica-M L/M-FX 0.65X

L/M-FX 0.65X、1.5倍の0.65倍だから、元が50mmのレンズなら48.75mm、元が35mmのレンズなら34.1mmってことで、ほぼ元通りの焦点距離・画角になる感じ。
見た感じ、構造的に後ろ玉の干渉なく35mmが使えるのかどうかは怪しい気もするけど。
なぜかスワロフスキー付の色付き石、そんな野暮ったいものないほうがいいわ…。
X-Mount-and-Sony-NEX


気になるお値段はけっこう高めの強気設定みたい。
Baveyes L / MS / E 0.65x:638USD
Baveyes L / M-FUJI X 0.65x:595USD



いろいろリサーチして、やっぱり売れてるのはC社S社
つまりいまソニーの 35mmフルサイズの小型デジカメが売れていて、各レンズメーカ用に対応するマウントアダプターの種類も一番豊富なのがソニーのデジカメ用っていうのはこれはもう必然的な流れなんですよね。

α7 II なんて 35mmフルサイズセンサー搭載でフルサイズ対応 5軸ボディ内手ブレ補正機構ついてるわけです。
ソニーのフルサイズの小型デジカメが使いたいかどうか、操作系とか出してくる絵とか自分にとってそのカメラってのは魅力があるのかどうかは別としても、焦点距離が変わらないんだからオールドレンズそのものの素性が活かせるわけで、手ブレ補正もあって、ぶれる人にも扱いやすい。(センサスタックを考えるとガラスの厚みがネックですけど)

…ってことで、フジの Proシリーズは今後 35mmフルサイズの撮像素子とボディ内手ブレ補正機構を載せないと、オールドレンズで表現しようとする層とか今までのレンズ資産を持っているターゲット層をソニーのようには取り込めないってことだ。
せっかく面白い撮像素子を使ってフィルムに近いなかなかの絵を出してくれるのにもったいない、ああもったいない。
なーんてね。

今のライカの新機軸、Tシリーズ(APS-C機)は APS-C 専用のライカレンズを出してきてる、この専用レンズはもしかして、もしかして日本で作られてるんじゃないかな〜と。
そすっと、もしかして P社は今後マイクロフォーサーズ以外にも移行できる余地がある、その可能性もあるんでは?、そもそもマイクロフォーサーズにこだわる必要なんて本当にあるのかどうかは、はなはだ疑問じゃん。
フルサイズのスーパーセンサーも作ってるという噂もあるし。(やっぱり出ましたね、しかもライカ、パナソニック、シグマのLマウント アライアンス、今後のレンズ開発も楽しみ。

 


できないことだってある

マウントアダプターでもできないこと
・スーパーアンギュロンとかああいう後玉の出っ張ったレンズは使えない。
・沈胴式レンズは沈ませると途中からボディに干渉することがあるので基本的に使えない。
(FUJIFILM X のフランジバック長が 17.7mm と短い設計はただの長所です)

オールドレンズだからできないこと
・ピント合わせや絞りの調節などがフルマニュアルになる、AF はない。
・EXIF の F値は 0 で記録されない。
・6bitコードとかあっても読まない。

フジのカメラのイラつくところ
・暗い時、絞れば絞るだけ EVF の動きがドロドロしてくる。(X-E1のみ)
・同時に水平器の反応がワンテンポ遅れて下手するとループになる、これはまどろっこしい。(X-E1,X-Pro1のみ)。
・フォーカスピーキングの色やその表示状態がイマイチわかりづらい、特にモノクロ時。
X-Pro2 を出さずに、海外ウケを狙ってレフ風に擬態した X-T1 なんて出した。
Pro 名を冠した Xシリーズをファームアップしてもクラシッククロームすら使えない。
・番外編:RAWに設定すると ISO値に制限があるので、大口径でも完全な闇は得意ではない。(X-E1,X-Pro1のみ)

フジのカメラのいいところ
・CCDの頃からやっていた独自のカラーフィルター配列が出してくる絵、本当に成功してるんじゃないでしょうか。
(灯り系の黄色とブルーがのったグレイはちょっと癖があるかもしれないけど、シアン〜ブルー〜グリーン系の発光しているものは特にいい感じのすっきりきれいな色を出す気がします)

まあ厳密にいうと…
そのカメラ機種専用レンズとしてリリースされている純正のレンズってのは、そのカメラのフランジバック長やカメラの撮像素子上にあるマイクロレンズ(の嵩高さ)の構造に合うように専用に設計されているので、理屈としてはオリジナル品の組み合わせが一番ノイズの少ないシャープな像を結ぶかたちで写せるはずなんです、(といってもフジにライカレンズを使うと実際にすごくいい写りをしますけどね)そういう意味でオールドレンズでどうこうってのはあくまで趣味の遊びというか、MTF曲線がレンズ性能のすべてではないのと同じように官能的な領域であるというか。

特に広角レンズだとか大口径のレンズで絞り開放で使う時などの入射角の大きい横方向からの入射光の屈折の仕方はマイクロレンズの形状にまず左右されるし、カラーフィルタとフォトダイオードまでの距離にも左右されるというか。
最新のライカSLに M用レンズをつけた場合よりも、ライカMボディにM用レンズをつけたものの方がいいのはそういう理屈で最適化されるからです。

横方向からの入射光が、マイクロレンズ直下にある1個の画素上のフォトダイオードにちゃんと落ちる仕組みになっていると、シャープでかつノイズも少ない。
広角や大口径のオールドレンズを使った場合の横方向からの入射光に対してあまり強く左右されないであろう裏面照射型の CMOS でかつマイクロレンズが嵩高いものがベストなんだろうと思いますけど、どこがそういうのを一番作ってくれそうかなーと。

 


実際に X-E1 に取り付けて撮ってみる

社外品のアダプタ使用時にはカメラの「メニュー」から「レンズなしレリーズ」を「ON」にしておく必要があります。

▼ ここまでが SUMMILUX 1:1.4/50 で寄れる限界だったところ。
寄れる限界

ヘリコイド付きのマウントアダプターを使えば、きっちり 36cm あたりまで寄れるようになりました。
実物の招き猫の貯金箱は高さ 13cm、ライカのフードは直径約 7cm 程のサイズ、限界まで寄ってみたところこんな感じ。
高さ 13cm の招き猫

直径約 7cm ライカのフード

絞らないで撮ると後ろボケの状態はこんな感じで始まります。
この大きさのものなら2段絞ればこんな感じ。
直径約 7cm ライカのフード-2


Leica 50mm F1.4 From 100cm → 36cm、これは事実上 75mm と化してしまっていても元が 50mm だと最短 36cm まで寄れるってことで、かなりありがたいかもしれない、というか正直うれしい機能、エクステンションチューブをかませたのと同じように目の前にあるものも座りながら適当に撮れる距離というか。
テーブルの料理も席を立たずに撮れるようになる。

だけど、5.6まで絞ってもまだまだ深度は浅くて、赤いマークに合わせてみたらこんな感じで、最短撮影距離の場合は高さの少し違うレンズ部分などがかなりぼけてきます。
で、机の灯りでは絞ると EVF が暗くなったので露出補正 +2。
typ109

Xマウントの APS-C カメラの場合だと 50mm のレンズよりも 18mm~35mm くらいまでのレンズを使った方が画角(というか画角は変化しないけどレンズのイメージサークルの中心部がクロップされることで焦点距離が変わってくる)からして構図的にバランスのいい絵を作りやすいんじゃないかと。

50mm だと 約 75mm になるので、ストリートだとキャンディッド・フォトを撮ろうと思っても被写体とカメラの間にある程度の距離をとることが必要な場合も多くて、無限遠にしていても手前側はどうしても大きくボケやすいだろうし、せっかく距離をとった空間にあっという間に人がなだれて入ってきてしまうこともあるし。

もしそれが観光の中国人だったりすると、あ、写真撮ってるんだねって感じでちょっと気を利かせて避けてくれるとかは絶対にないですし、それどころかカメラのレンズの前に割り込んで立って、そこで三脚を立てだしたりとかザラ、信じられないだろうけどこれはマジ。
そういう意味で、焦点距離の長いワーキングディスタンスが長くなるレンズはあんま速写には向いていないというか。

そのかわりイメージサークルのまんなかあたりしか使えていないので、球面レンズでも、レンズによっては歪みがほとんど気にならないし、フルサイズセンサー機と併用したら中間の焦点距離も埋められるオマケになるというか。
絵作りとしては、良くも悪くも周辺光量落ちはほぼないといっていいくらいの感じ。

無理にめいっぱい寄らず、普通に寄るくらいならこういう感じの背景のボケ方。
(ヘリコイドそのものを最大まで伸ばさない使いかた)
蝉の抜け殻


実際に問題なくこれだけ寄れるなら、Mボディ → Mマウントのレンズのヘリコイド付きマウントアダプターってのがあっても面白いかもしれないな〜。

Rマウントレンズを Mボディで使うための Rアダプター M(Leica R-Adapter M, black paint 14642) ってのは実際にあるんですけど、Mボディで M用レンズを使う時のヘリコイドがあったら、最近の Mだったら EVF 2を併用して Leica X (Typ 113)みたいに最短30センチ程まで寄れるかも?

…と思ったらあるんですこれが。
距離計は連動しないので、ライブビューができる機種専用です。
Mボディ → Mマウントのマクロマウントアダプター。

ライカ マクロ・アダプター M 14652
ライカ マクロ・アダプター M

焦点距離が 50mm以上のレンズの最大撮影倍率が1:2、焦点距離が短いレンズほど被写体に寄れるようになるわけで、広角レンズだと最大撮影倍率が1:2よりも大きくなるため 28mm以上のレンズならこれで遊べる。

ヘリコイド付きマウントアダプターを使えば面白い写真が撮れるんですよね。
絞り込んで撮らないと被写界深度も超極端に浅くなるし、遠近感も強調されて歪みやすいし、撮る方向だとか被写体のサイズだとか、それによってどのくらい絞るかも EVF でチェックしないと変なものになっちゃうかもしれない、明るいレンズで開放側だと元から浅いピントの合う範囲がさらに狭くなる。
イチゴのドーナッツとホットチョコ

もっともっと絞らないとダメでした、たまには楽しい。

このイチゴのドーナッツとホットチョコをいただいていた時のテーブル2つ先のカウンターの様子はこんな感じ、ヘリコイドをいちばん縮めた状態、つまり素の換算 75mm としてはこんな感じです。
ラブラブラバー

75mm のいいところって、テーブル2つ先のこのくらいの距離でもある程度大きく見えて、髪の毛一本までピシャッと合焦して映るようなところなのかもしれない、被写体が浮き立ってくるような感じとかもいい感じ。
このラブラブラバーの横の傘、実は隣にいたぼっちさんのものだったりする。
ぼっち

ここは京都駅の開放的な空間にある ICE DE LION 、アイスもドーナッツもあるカフェ。
ICE DE LION

横を見上げたら京都タワーもちらっと見える場所。
駅の中から見える京都タワー

外は雨、寒くて冷たくて徘徊できない。
外は雨

駅から地下を通れば、道路の向こうにあるヨドバシカメラのマルチメディア館の方に移動できます、ていうか、ここってもともとマルブツだったのかな?

丸に物と書いてまるぶつ、自分が物心ついた頃って、マルブツはもうすでになくなってしまっていたんだけど、当時こんな可愛い鐘が二つあったらしくて、今は地下に飾られてます。
だいたい 70〜80cm くらいの大きさの鐘。

この鐘は今はもう鳴らされることもなく、なぜか新しいダサい名前をつけられてヨドバシカメラのマルチメディア館地下1階の入り口付近に飾られています。
丸物の可愛い鐘

地上にちょっとしたスペースを作って鳴らしてあげたらいいのにねー、って思った。
地下から1階にあがったらこんな感じ、このへんのどこかにでも設置すればいいのに。
ヨドバシ1階のところ


今日はあんまり好きじゃない近鉄(椅子とかいろいろ)を使って帰ったった。
単焦点の 75mm で景色なんて撮らずにポートレイト撮れやアフォかっていうパターンもありそうなので、ドヤ顔ポートレートショット。
ヘリコイドはいちばん縮めた状態。
鬼畜のドヤ顔

白毫がついてるのに角が生え、目をそらしほくそ笑む邪悪なやつ。

このレンズは通称「貴婦人」てもので 1964年5月14日製、ガウスタイプの5群7枚構成。
50年も昔のレンズだけどこういう映り。
APS-C の焦点倍率の都合上、50mm が 75mm になってもとても気に入ってます。
レンズ周辺がカットされるかたちの75mmなので一概にいいとも悪いとも言えないけど、使えないってことではない。

背景のボケや光の玉ボケは非点収差の影響で今時のものよりもぐるぐる回ったようになりがちですけど、それは欠点ではなくて個性というか今時の ASPH じゃない証左、玉ボケの輪郭も非球面の影響を受けないため強調されることもない球面らしさも含めて滋味とでもいうべきか。
しかもそのボケ方はどこかの撒き餌レンズと違ってザラッと汚くならない柔さが特徴。

この SUMMILUX 1:1.4/50 もはう生産はされてないのですが、今は 70cmまで寄れる 5群8枚の非球面レンズに生まれ変わり、SUMMILUX M ASPH. 11891C(ブラック)・11892C(シルバー) として販売されています。
SUMMILUX-M 50 F/1.4 ASPH.

ところでライカのブラックペイント。
そんくらい買ってやんよ、っていう篤志家の方はここからポチッと。



古いレンズでも良いものだと末長く楽しめますね。

お買いもの忘れはないですか?

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  1. 内容といい文体といい、たいへん楽しめました。御礼。

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